「ゲット・アウト」という映画を観ました。
アメリカのホラー映画です。
かなり面白かったですよ!
2018年に第90回アカデミー脚本賞を受賞しています。
じゃっかんのネタばれを含む感想を書きます。
映画の概要
主人公となる黒人男性の「クリス」は、白人のフィアンセ「ローズ」の実家に挨拶へ行く事に。
そこにはクリスが心配していたような黒人差別は無かったものの、妙な違和感を感る出来事が続きます。
奇妙な態度をとる黒人の仕様人。
異常なまでに黒人をほめたたえる白人たち。
黒人差別をテーマにした作品ではあるのですが、どうも単純な話ではない。
ここからサイコでホラーな展開に突き進んでいきます。
感想
完全にホラー。夜中に一人で見るのを推奨します。
「なにかがおかしい」ローズの実家。その秘密はいったい何なのか。
秀逸な演出とあいまって映画の世界観にどんどん引き込まれて行きます。
ローズの母親の催眠術が巧みすぎて、いつの間にか術中にハマり身動きができなくなるクリス。怖すぎます。
仲間だと思って話しかけた黒人の使用人は、不気味な笑みを浮かべながら「ローズは良い娘だろ?」と言ってくる。
どういう意味なのか。コイツとローズの間に何があるというのか…
パーティに出席した若い黒人男性は、カメラのフラッシュが光ったとたんに豹変し、「ゲットアウト!(出ていけ)」と叫びながらクリスにつかみ掛かってくる。
ただのてんかんの発作なのか、どんな意味があるのか…
観客の疑問を誘ったあとの、「ゲットアウト!」という驚き、そしてローズの家を出ようとした後に待ち受けるローズ家の真実。
そして反撃、脱出、ピンチと畳みかける超展開。
後半かなりホラーでドキドキしながら魅入ってしまいました。
そもそもホラーと知らずに見てしまったので余計に驚きが大きかった。
やはり映画は何も先入観無く見るのが一番楽しめますね。
最後まで見終わって理解できる「ゲット・アウト」の意味(完全ネタバレ)
まず最初に、パーティの席で黒人男性がクリスに向かって「ゲット・アウト!」と叫びます。
これはクリスというよそ者を敵対して言った言葉だと、はじめは誰もが思うわけですが、全く逆の意味だったんですね。
白人たちの目的は、連れてきた黒人の強靭な体を乗っ取り支配すること。
その支配がカメラのフラッシュをきっかけに一時的に解けて、元の黒人の人格が表に出てきたわけです。
そして自分の精神を取り戻した黒人男性は、同胞のクリスに危険を知らせるために「ここは危ない!早くここから逃げろ!」という意味で「ゲットアウト!」と叫ぶわけです。
さらに終盤、黒人の仕様人はローズの祖父たちだった事がわかります。
この祖父もカメラのフラッシュによって一時的に元の黒人の人格が復活。
手にした猟銃でローズを撃ち、再び白人の人格に支配されることを恐れ、自らも頭を打ちぬいて自殺します。
「ゲット・アウト」とは精神を支配された黒人達が、自分の体の中にいる白人を追い出すという意味もあったわけですね。
何重にも解釈され、映画のタイトルにもなっている「ゲット・アウト」という言葉。
これがまた深くて、見終わったあとの「やられた感」が気持ちよかったです。
日本人にはなかなか分かりにくい「人種差別」というテーマ
アメリカの人種差別は歴史も古く、いまだ根深いものになっていると思います。
今でも海外のニュースとしてテレビで見ることもありますが、やはりそこは太平洋を隔てた遠い外国の話。
日本人には現地の人ほどの実感は持てないでしょう。
「ゲット・アウト」は純粋に人種差別だけを扱った作品ではありませんが、こういった映画を通じて少しでもメッセージを受け取れたら良いなと思いました。
「ゲット・アウト」を見る方法
ゲット・アウトを観る方法をまとめておきます。
amazonプライム
おなじみamazonプライム。会員特典で観れます。
Blu-ray(アナザーエンディング付き)
公開された映画では、ラストはクリスが仲間に助けられて無事に生還するというハッピーエンドで終わります。
しかし映画製作当初は少し違ったエンディングだったようで、この「アナザーエンディング」バージョンがBlu-ray、DVDには収録されているとのこと。
特典映像が見たい方は円盤をレンタルまたは購入すると良いでしょう。
私は海外のホラー作品はあまり観ないのですが、たまたま見てしまったこの作品はかなり面白かったです!怖いだけではない、様々なメッセージが絡む味わい深い作品でした。
でもやっぱり基本は怖いですw
おすすめなので、是非みんなに見てもらいですね。
簡単ですが、以上です。