さんごー日記。

映画や本やゲームの感想をゆるく記録したり、プログラミングの勉強をゆるく記録するゆるい日記です。

「数をめぐる50のミステリー」数学の歴史とユーモアに触れたい方に贈る本

私は数学者や物理学者の自伝やヘンテコなエピソードが大好きで、そういった本を探してはよく読んでいます。

有名どころでは「ご冗談でしょう、ファインマンさん」や、「囚人のジレンマ ー フォン・ノイマンとゲームの理論」といった本が挙げられますね。

これらの本で描かれているのは難解でアカデミックな話ではなく、数学者や物理学者の奇想天外な人生そのものです。

 

例えば、現代のコンピューターの基礎を作ったフォン・ノイマンが、自動車の運転で事故を起こしまくっていたり、アインシュタインに嘘の道を教えてイタズラしたりする…といったのは序の口です。

 

ノーベル物理学賞受賞者のファインマンは、大学の同級生の寮の部屋のドアを外して隠してしまったり、ロスアラモス研究所では金庫の錠前を破ってはセキュリティの甘さを指摘していた錠前破りの達人だった…など、人間味溢れるユーモアなエピソードを沢山持っています。

 

今日はそんな数学者・物理学者の面白話しがお好きな方におすすめの本を紹介します。

「数をめぐる50のミステリー」という書籍になります。

数をめぐる50のミステリー―数学夜話

数をめぐる50のミステリー―数学夜話

 

 

 

1年が10日以上無くなった年がある?

まずは「50のミステリー」というものが例えばどんな内容なのか?という所を少しだけ紹介してみます。

紹介するのはこの本の1番目のエピソードであり、特に印象に残った物でもあるエピソードです。

 

1年というのは日数にすると365日であり、4年に一度は1年が366日になる閏年がある。という事はだれでも知っている常識かと思います。

さらに「西暦年が100の倍数の時は365日になる」というルールを知っている人も少なからずいることでしょう。実はこの「閏年調整ルール」はさらにもうちょっと複雑になっています。

しかしこの「閏年の調整」は初めから完全に行われていたわけではなく、日付の誤差が大きくなっていくと予測したある人々によって少しずつ調整が導入されていきました。

そして、この調整を導入していなかった期間の誤差をいっぺんに修正した年も存在しました。

それが1752年であり、この年は9月2日の翌日が9月14日という事になっています。

この時に閏年などのルールを厳密に計算しなおした「グレゴリオ暦」に切り替えたためです。

そしてこの暦の切り替えは国によって違っており、ロシアでは1917年に行われています。この為にロシア十月革命が11月に起こった事になるというややこしい話になってしまったようです。

 

ちょっとしたトリビア的なエピソードですが、「日付が10日以上ふっとぶ」という現代ではとうてい考えられないような出来事が歴史上起こっていたという事を教えてくれただけでも、私はこの本にいっきに興味を惹かれてしまいました。

この先どんなロマンあふれるエピソードが綴られているかと思うと、ページをめくる手が止まらなくなるというものです。

 

ニュートンは世界の終わりを予言していた?

歴史的エピソードの次は、私が大好きな「数学者のヘンテコなエピソード」です。

この本ではニュートンの宗教者的な側面に光をあてて、その人物のエピソードを紹介しています。

本によれば、ニュートンは聖書の解釈などのオカルト研究にも余念がなかったようで、世界の終わりまで予言していたそうです。

世界の終わりと言えば、20世紀末に話題になっていた「ノストラダムスの大予言」や、21世紀初頭に話題になった「マヤ文明の予言」が有名ですね。

こうしたオカルトな話題に、万有引力の発見で有名なニュートンが参戦するとは全くの予想外でした。

最近の研究ではニュートンが物理学者であるという解釈のほうがむしろ歪んでいるという説すらあるようです。

そんなニュートンさんによれば、終末がやってくるのは2060年になるそうです。

しかしどうも複数の終末を予言しているようで、2060年以降になる可能性もあるとか。

 

またしても物理学者の意外な側面を知る事ができました。

ニュートンが残した錬金術の本などもあるようです。ニュートンさんで楽しめる事が増えました。

 

数式も出てくるけど、細かい事は気にせず読むのが吉

閏年の話や、ニュートンのオカルト話を紹介しましたが、他にももう少し数学の専門的な話題なども紹介されています。

そこでは数式を使った説明も出てきて、完全に理解して読み進めようとすると途端に瞼が重くなってきてしまいます。

数式の説明はあくまで「演出」として捉えて、雰囲気だけ味わいながら、どんどん読み進めてしまうのがこの本の楽しみ方だと思います。

 

アニメの「攻殻機動隊」や「新世紀エヴァンゲリオン」も何やら意味不明な専門用語を早口でしゃべっていますが、意味など分からなくても「なんかカッコええ…」と見とれてしまえば幸せなのです。

 

 

1エピソードが3~4ページの短い文章なので気軽に読める

この本1冊に「50のミステリー」が収められているわけですから、一つ一つのミステリーはわりと短く読みやすいものになっています。

これにより退屈することなく本を読み進めていけますし、「1か月が19日しか無かった月があったんやで」というような雑談ネタを幅広く脳みそにインプットできるようになっています。

特に面白いと思ったエピソードに関しては、その分野をより詳しくネットで調べたり、別の本を探して読むなどしていく事で、知識の幅を広げていく助けになるのではないかと思います。

 

面白ネタを沢山吸収したい人にもおすすめの本になっているのではないかと思います。

 

 

 

以上、簡単ですが、最近読んだ本の紹介でした。 

数をめぐる50のミステリー―数学夜話

数をめぐる50のミステリー―数学夜話

 

 

 

他、数学・物理学(者)の面白い本の紹介

数学の面白い本をお探しの方にオススメの本を他にもいくつか紹介しておきます。

 

定番の「ご冗談でしょう、ファインマンさん」。

ファインマンさんの豪快な人生に触れると元気が出てきます。ファインマンさんの本は他にもあるので、一通り読むのがおすすめ。

ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫)

ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫)

  • 作者: リチャード P.ファインマン,Richard P. Feynman,大貫昌子
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2000/01/14
  • メディア: 文庫
  • 購入: 56人 クリック: 1,250回
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ノイマン型コンピュータの生みの親、ノイマンさんに関する本。

ゲームの理論を楽しく学ぶのにも良いと思います。

囚人のジレンマ―フォン・ノイマンとゲームの理論

囚人のジレンマ―フォン・ノイマンとゲームの理論

  • 作者: ウィリアムパウンドストーン,William Poundstone,松浦俊輔
  • 出版社/メーカー: 青土社
  • 発売日: 1995/03
  • メディア: 単行本
  • 購入: 5人 クリック: 57回
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スタニスワフ・ウラムという数学者の自伝。ウラム自身の数学的人生観と、ウラム視点での他の数学者のエピソードにも触れられる。数学者の自伝としては正統派という感じの本。

絶版ですがプレミアがついていて、私が買った時でも高かったけど、今見たらその時の倍以上の値段になってた…(2017年6月時点)

ゲットできたら大切にしてあげてください。

数学のスーパースターたち―ウラムの自伝的回想 (1979年)

数学のスーパースターたち―ウラムの自伝的回想 (1979年)

 

 

 

他にも数学の面白い本に出合ったら紹介していきたいと思います!

今回は以上です。

 またよろしくお願いいたします。