岩修二監督の「スワロウテイル」をAmazonプライムで観ました。
独特の世界観。日本という国のリアルとフィクションのブレンド具合が絶妙でした。
岩井修二ワールド全開ですね。
この記事の内容。
映画の概要
架空の日本が舞台の映画です。
移民街で暮らす出稼ぎ労働者達が作った街「円街(イエン・タウン)」で暮らす少女が、ある日娼婦の母を亡くして天涯孤独の身となります。
知り合いをたらいまわしにされた先にであったグリコという女性に「アゲハ」という名前をもらい、円街や日本人街を生き抜いていきます。
仲間たちと一緒に偽札を作ったり、グリコをヴォーカルとするバンドを結成して有名になっていくが…
という感じのストーリー。
セリフは日本語、中国語、英語がごっちゃになっていて、独特の世界観を演出しています。
ネタバレ感想
「円街」の「実際にありそう感」が絶妙
映画の舞台となる「円街(イエン・タウン)」は、日本にやってきた出稼ぎ労働者が集まってできた街という設定ですが、これって実際にあってもおかしくないんですよね。
2018年の現在でも外国からの出稼ぎ労働者は増えています。
この映画がつくられた1996から在留外国人の人数は倍以上になっているとか。
「円街」のようなスラム街は無いものの、外国人が集まって街を作ってもおかしくないわけです。
出稼ぎ労働者が増え始めていた1996年当時の社会を眺めた岩井修二監督が、独自の感性で少しだけアレンジした日本が「円街」なのかもしれません。
岩井修二監督作品の「リップヴァンウィンクルの花嫁」でも平成後期の日本社会で「実際にありそう」な怪しいアルバイトを取り上げています。
リアルのアレンジの仕方が上手くて、思わず引き込まれますね。
グリコが途中から完全にCHARA
アゲハの面倒を見る女性「グリコ」。演じるのは歌手のCHARAさんです。
登場した時はCHARAと分からないぐらい、完璧に「アジア人系の娼婦」を演じていました。
日本語のカタコト具合もリアルで、本当に中国かどっかの女優さんかと思ってしまいました。
しかし作中で「YEN TOWN BAND」のヴォーカルとして歌い始めたあたりから覚醒してしまい、完全にCHARA化します。
ここでやっと「グリコCHARAやん」と気づいた人も多いのではないかと思う。それだけの演技力だという事ですね。
CHARAはそこまで詳しくない私ですが、女優としてもここまでの実力を持っていた事に驚きました。
その両替機、何?
グリコ達が偽札を本物に変える手段として、街中の両替機を使います。
その両替機に偽1万円札を入れると、本物の千円札が出てくるという仕組みですが…
そもそもそんな両替機あんま見た事ないですよね。
ゲームセンターにお札を小銭に変えるやつがあったりしますが、1万円札を千円札に崩す両替機なんてあったっけ?
しかもそれが街中にある世界観。
海外なんかだと自動販売機は壊されてしまうからあまり置いてないと聞きますが、荒廃した世界観の「円街」でそんな両替機あったらあっという間に破壊されて中の現金が抜かれてしまう感じがします。
フィクションの映画でこんなツッコミ入れてもしょうがないですが、ちょっと気になってしまいました。
「両替機が町中に置いてあっても大丈夫」という感覚が、実際の日本人的感性を表しているのかなぁと。
そんなところも含めて、独特の世界観や映像表現、セリフの表現が楽しい映画でした。
岩井修二監督作品
岩井修二監督の作品だと「リップヴァンウィンクルの花嫁」も観ましたが、こちらは個人的に特にオススメの映画です。
上映時間が3時間ありますが、スワロウテイル以上に引き込まれる傑作です。
よかったら見てもらいたいです。
スワロウテイルを観る方法
Amazonプライム
いつもお馴染みAmazonプライムの会員特典で観ることが出来ます。
月額400円ほど。リーズナブルです。
お金をかけずに映画を沢山みたい私のような人には、Amazonプライムがイチオシ。
Fulu
Fuluでも配信中です。こちらは月額933円。2週間は無料で利用できる定額制の動画サイトです。
Amazonプライムよりも月額は高いですが、作品数は多いと言われています。
(Amazonプライムは2万5千本、Fuluは5万本ほど)
Netflix
ネットフリックスでも配信中です。
月額800円から。作品数は少な目ですが、Netflixオリジナル作品(映画、アニメ、ドキュメンタリー番組など)に力を入れている動画サイトです。
サイトの操作性もAmazonプライムより優れていて、作品が探しやすいです。
オリジナル作品に一度ハマると、抜けられません。(私は節約のために、心を鬼にしていったん抜けてしまいました)
Netflix (ネットフリックス) 日本 - 大好きな映画やドラマを楽しもう!
DVD、Bru-ray
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CHARAファンの方、伊東歩(アゲハ役)ファンの方など、手元に置きたいコレクターの方などはこちらから。
以上、映画「スワロウテイル」の感想でした。
興味があれば、上記のサイト等から見てみてください。不思議な世界観が味わえますよ。